
1月29日、東京都内のホテルで第54回内閣総理大臣杯日本プロスポーツ大賞の授賞式典が行われ、2024年に全日本スーパーフォーミュラ選手権とスーパーGT GT500クラスの二冠王者に輝いた坪井翔が敢闘賞を受賞した。また、昨年スーパーフォーミュラでランキング5位に入り、ルーキー・オブ・ザ・イヤーとなった岩佐歩夢が新人賞に選ばれている。
毎年、各プロスポーツ競技で顕著な活躍をみせた者に贈られる日本プロスポーツ大賞。1968年の第1回を皮切りに今年で54回目を迎えた。ここ数年はモータースポーツ選手や関係者の受賞や登壇の機会が増えており、2022年度には野尻智紀、2023年度は宮田莉朋がそれぞれ敢闘賞を受賞している。
式典の最初には新人賞の受賞者が紹介され、岩佐が登壇。大相撲の大の里関やレスリングのパリ五輪金メダリストである藤波朱理らとともに新人賞の賞状とトロフィーを受け取った。
「こういった賞をいただけることは嬉しい限りで、すごく光栄です。この賞は僕自身が受賞しましたけど、こういった活動をするのにもたくさんの方々に支えていただき、できていることです。日ごろから応援していただいている方、支援していただいている皆さんに(受賞できたことを)お伝えしたいです」と岩佐。
昨年スーパーフォーミュラに初参戦し、3度の2位表彰台を確認した岩佐。シーズン中にはRBからF1のフリープラクティス1回目に2度出走したということで、2025年もさらなる活躍が期待される。
改めて今季の目標について岩佐は「今年はスーパーフォーミュラで2年目のシーズンで、昨年することができなかった優勝とチャンピオン獲得に対してリベンジする年になります。とにかくチャレンジをする一年にしたいと思います」と語った。
そして敢闘賞は、昨年の国内モータースポーツで大活躍をみせた坪井が受賞。スーパーGT GT500クラスでは2連覇を果たし、スーパーフォーミュラでは念願の初タイトルを獲得した。
「こういったことは初めてだったので勝手が分からなかったのと、ふだんはテレビで見ている人たちが会場にいて緊張しましたね」と坪井。
2024年度の敢闘賞は柔道の角田夏実、卓球の早田ひな、プロ野球の菅野智之、車いすテニスの上地結衣と錚々たるメンバーが受賞したのだが、いずれも大会参加などの都合で欠席。式典前の控え室でも他の選手と話す機会はなかったそうだが「そのなかに自分もいるということで……これからは周りの人から『あ、テレビに出ている人だ!』と思われるように、モータースポーツを盛り上げていきたいなと改めて思いましたし、この賞をいただけたことでモチベーションも上がりました。良い賞をいただけたと思います」と述べた。
また、スポーツ功労者文部科学大臣顕彰には、ラリー界で活躍した勝田照夫と増岡浩、元トライアルライダーの成田省造に贈られた。

そして第54回日本プロスポーツ大賞は、陸上女子やり投げでパリオリンピック金メダリストに輝いた北口榛花が受賞。ここで内閣総理大臣杯と賞状の授与のため、石破茂内閣総理大臣が登壇した。
「昨年はパリオリンピック/パラリンピックが開催され、世界中がスポーツで熱くなり、スポーツの価値を再認識した年であったと思っております。また、日本国内外におけるさまざまなプロリーグや大会におきまして、数々の日本人選手が熱いドラマを繰り広げ、国民に感動と大きな活力をもたらしてくれました。皆さまのご活躍に心より感謝申し上げる次第でございます」と述べ、昨年10月に就任した石破総理にとって、初の日本プロスポーツ大賞でのスピーチとなった。
式典の最後には、今回の受賞者全員がステージに集まって記念撮影が行われ、坪井と岩佐はここで石破総理と握手を交わしていた。
その坪井は「3日間前にプライベートで大相撲を観に行っていたので(石破総理を見たのは)3日ぶりでした(笑)。でも、今回は握手までしていただいたので、改めて凄い賞を受賞したのだなと感じました」というエピソードを語るとともに、2025年は“数字”にこだわっていきたいとレースの抱負を述べた。
「両カテゴリーとも昨年と体制が変わらないまま臨めますし、GTに関しては史上初の3連覇がかかっています。おそらく3連覇を狙えるチャンスは最初で最後だと思うので、しっかりといきたいです。スーパーフォーミュラも昨年タイトルを獲ることができましたが、勝ったのは富士のみだったので、他のサーキットでも勝ちたいですし、もっと強さを出して『あの年はたまたま獲れた』と言われないような成績をしっかりと出し、両カテゴリーでチャンピオンを狙いにいきます」
「また、さまざまな記録を作り、歴史に名を刻めるようなシーズンにしたいと思います。そして、またこの式典に参加し、いずれは大賞受賞者として登壇できるように頑張りたいです」






